7つの説明の型、IKPOLETを極めよ『頭のいい説明は型で決まる』

東大院生が開発! 頭のいい説明は型で決まる
PHP研究所 (2018-07-13)
売り上げランキング: 559
 同じ内容のはずなのに、説明する人によってこうもわかりやすさに違いがあるのか!説明のプロという人たちは確かに存在する。自分もそうなりたい!
 本書を読む動機は説明上手になりたいからで、説明上手になるのが目的だ。
 
 自分は浪人時代の予備校で、数々の名講師の方に巡り合うことができた。浪人してよかった、と思えるほどに。学校でいくら授業を聞いていてもわからなかったことがスラスラと頭に入ってくる。こういう経験をして大学に入り、大学教授の講義は大変退屈で、わかりにくかった。。。大学の先生というのは教えることのプロではないのだ。
 
 本書の著者も、元予備校講師であり、講師引退後は大学院で学習環境をテーマとした研究を行っているということで、教え方の”プロ”だ。
 
 本書の内容を自分なりに要約してみると、
相手に伝わる説明には7つの型がある。相手の興味引き(Interest)、相手の知識レベル(Knowledge)を把握する。説明の羅針盤(Purpose)と俯瞰図(Outline)を早い段階で与え、相手の知識と与える知識とを繋げ(Link)、具体的なイメージ(Embodiment、Example、Evidence)を与える説明をする。知識や考え方を他のシチュエーションで使えるように導く説明(Transfer)の7つだ。この7つの型の頭文字をとってIKPOLET法という。
 
 本書自体がIKPOLET法を体現した書き方がされており、分かりやすい。章ごとには以下のような内容になっている。
1.聞く側の態度、自分の理解不足、相手の知識把握不足が原因だ。
(説明が伝わらないのは、理解の階段が作れていないからだ。)
2.(I)人の欲と恐怖を刺激し、メリット・デメリットで興味を引く。
3.(K)相手の知識、考え方、マインドまで把握することが大切である。
4.(P)説明の目的や意義を早い段階で伝え、理解の羅針盤とする。
5.(O)アウトラインを集合や時系列として説明に盛り込み、俯瞰させる。
6.(L)相手の知識と説明する内容をあるルールや法則で一括りにする。
7.(E)抽象的な内容は具体的なイメージを相手の頭の中に描く。
8.(T)知識や考え方を、他のシチュエーションで使えるようにする。
9.説明をゴールから逆算して設計し、相手の自己肯定感を守る。
 
 意外と盲点になる、相手に分かってもらえない原因を知ることから始まっている。相手が聴く態勢をとれていない・・・これは端からあきらめてしまいそうだが、ここをひとつめのInterestで解消するのだな?、というわけだ。
 相手に分かってもらえない原因を知り、その逆をすれば分かってもらえる。
 
 早速これらの型を意識して実践、訓練していこうと思う。

ハッと気付かされた『人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。』

人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。 20代で身につけたい本の読み方80
 本書をを読むキッカケは、カバーデザインが目を引いたことと、amazon内容紹介、レビューが気になったからだ(本を借りて読む人は自分も一生使われる、など)。書名は、他にも類似の書名が見られる『人生で大切なことは、すべて〜』。副題に「20代で身につけたい本の読み方80」とあり、もはや20代ではないのだが…読んでみることにした。
 まえがきや目次を読んで分かるとおり、この本は、著者の経験から得られた自論タイプの読書術本だな、というのが第一印象だった。こういった本は、わずかでも琴線に触れるものがあれば儲けもので、読み物的に、ツッコミを入れながら読むことになるだろう。と、思っていたのだが、なるほど、とハット気付かされたことがあり、こういった本の見方が今までとガラリと変わることとなった。
 それが以下の部分だ。

“「恐らく経験上こうなのではないかな」「私はこれでうまくいきましたよ」といった自己啓発書で先取り学習していくのが利口です。根拠を100%待つのではなく、30%の仮説思考で生きていく姿勢が大切です。ひょっとしたら100のうち自分に当てはまるのは2つか3つかもしれません。否、1000のうち1つもないかもしれません。それでも数年後や数十年後を期待して学問的根拠を待つよりは圧倒的に成功に近づけます。じっと待っているのと、試行錯誤を繰り返しながら前進するのとでは、雲泥の差です。”

つまり、こういった本はまずは著者1人が被験者で、上手くいったことをエッセンスにしているのだ。科学的な研究に基づいたものとの違いは、その被験者数にすぎないのだ。数百、数千、数万…人規模で効果アリと実証されたものとて、それはその規模の人すべてに効果があったものではなく、統計的に優位な差が認められましたよ、ということ。これが自分に当てはまる保証はどこにもない。そういった意味で、著者1人を被験者にしたものだって、自分にも当てはまるかもしれないし、当てはまらないかもしれない。自分に当てはまるかどうかという意味では、どこそこの有名な大学、研究機関、研究者が携わった大規模な研究結果であろうとなかろうと関係ないのだ。

 著者が言うように、100のうち2つか3つかもしれないし、1000い1つかもしれないけど、それを学問的に根拠が見いだされるまで自分に試さないのはもったいない、ということなのだ。それに、ベストセラーとまでいかないまでも、ある程度売れているということは、効果があった人も中にはいるのだろうし、それが更に売上を押し上げていくのだろう。いわば、読者がみんなで検証実験に参加しているようなものだ。

 

読むべき本と読むべきタイミング 

“好きな本を読み続けていると、勝手にあなたの運命の本に接近していきます。あなたと本との出逢いは、どんなに遠回りしたとしても、すべてベストタイミングです。成長して受け入れ態勢が整ってからでなければ、巡り逢えないようになっています。自分の運命の本は、自分とまったく同じ人生を歩んできた人にしかわかりません。つまり、自分以外には見つけることができないということです。”

  これについても、読む本の量が増えてきた中で最近実体験している。例えば、以前読んだ本でも、読み返してみるとまったく違った受け取り方ができる。以前は別になんとも思わなかった本が、今読んでみると、これはいい本だ。なぜあの時そう思えなかったのか。あの時、この本のことを取り入れていられたら、と悔やむわけだが、それはその時は自分に受け入れ体制が整っていなかったのだと思うと納得できる。これだけ読んでみて、やっと受け入れ体制が整ったということなのだ。

 本書に述べられているとおり、

“まずは圧倒的な量をこなしてから質に辿り着ける。質に辿り着いたら更に量をこなしたくなる。”

 なのだ。今の自分は、まずこの圧倒的な量をこなしている段階なのだと思う。

半年で600万円の受講料!!『知と思考を鍛えるための読書術』

知と思考を鍛えるための読書術―週刊東洋経済eビジネス新書No.53
 雑誌の読書術ということでAudibleで聴いてみた。読書術というよりも、東大EMPというものを本書で知った。東大EMPは、世界に通用する次世代のビジネスリーダーを育成するプログラム「東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム(東大EMP)」のことで、定員は25人、受講料は半年間(毎週金土曜日のみ)で600万円らしい。600万!そんなに価値があるのか…
 このEMPでは課題図書があるらしく、そのリスト(と読書、議論)だけでも600万の価値があるとかないとか・・・このリストのうち何冊かはネットで見つけられる。
税金常識のウソ (文春新書)
(「週刊東洋経済」2014年1/11号, p.83より)
(「週刊東洋経済」2014年1/11号, p.85.より)
 
機会があったら、まずは興味が持てるもの、持てそうなものから読破してみよう。
 

字幕なしで見たいし、発音もキレイになりたい『海外ドラマはたった350の単語でできている』

海外ドラマはたった350の単語でできている
西東社 (2017-04-14)
売り上げランキング: 694
 英語をやっている以上、海外ドラマではなくとも、字幕なしで英語を理解したいとは思う。単語力としては、たとえ海外ドラマであってもたった350語を知っていれば海外ドラマで出てくる単語のほとんどはカバーできてしまうらしい。では、なぜ字幕なしではキツイかというと、そもそもリスニング力が足りていないということ。これは誰しも思うことだろうが、本書の例え(のイラスト)が面白かった。日本の学校英語を何年学んだところで、リスニングレベルとしては素人が山なりのキャッチボールをするレベルでしかない。しかし、ネイティブの発話スピードというのは、メジャーリーガーが豪速球を投げてくるようなもので、こんなのキャッチできるわけもないというわけだ。
 本書ではリスニングだけでなく、スピーキングのレベル感も提示してくれていて、それぞれの段階での学習法も紹介している。発音については、フォニックスというものを初めて知った。ネイティブが発音を学ぶ時にも使うものらしい。例えば、あえてカタカナで書くとすると、Timeは“タイム”、ではなく“ツァイム”と発音する、など。なるほど、ネイティブの発音に近いものができそうだ。ただ、調べてみるとフォニックスのルールというのがたくさんあって、二の足を踏んでしまうが、やってみてもいいかもしれない。

株オンチでもへっちゃら『数字オンチもへっちゃら! 文系女子の分かる!株の本』

数字オンチもへっちゃら! 文系女子の分かる!株の本
ごきげんビジネス出版 (2017-03-07)
売り上げランキング: 8,550
数字オンチでも、文系でも、女子でもないが、株オンチではあるので読んでみた。非常にわかりやすく、株でもやってみようかしら、という気にさせられる。

30倍でも、いやいや3倍でもパフォーマンスアップしたら…『集中力 パフォーマンスを300倍にする働き方』

集中力 パフォーマンスを300倍にする働き方
 この本に出会ったのは、Amazonで他の書籍を検索していた時だ。書籍内容紹介でマインドワンダリングというワードが目に止まった。そこで、この本を読む目的は、マインドワンダリングという、他のことが頭によぎり、集中出来ない状態のことを知り、それを排除する方法を学ぶためだ。著者はJINS MEMEのグループマネジャーであることを、読み始めてから知った。JINS MEMEは集中力計測で気になっていたデバイスの一つである。
 マインドワンダリングとは?
 読書をしている時など、他のことが頭をよぎり、読書に集中できていないなと感じることがしばしば。これをなんとかできないものかと、いろいろ書籍を検索していて行き当たったのが、マインドワンダリングというものだ。それは、

“いま考えるべきことから離れて、過去に思いをはせたり、未来のことを想像したり、別のことを夢想したりすることを認知科学の世界では「マインドワンダリング(MindWandering)」と言います。”

 ということらしい。なるほど、自分の悩みもこれに近いのかもしれない。ただ、これは

 “意識ここにあらずという状態ですが、これは決して悪いことだけではありません。アイデア発想のときには、この時間がとても意味を持ちます”

 ということで、悪いことではないらしい。簡単にマインドワンダリングを回避する方法は、ToDoリストに書き出しておいて一旦頭の外に追いやってしまうことだ。または、すぐその場でできることならやってしまう。自分の状況としては、ささいなことだが、Kindleセール品を買うかどうかを迷う、なんてことが起こる。セール終了時までWishリストに入れておくわけだが、どうもそれが読書中などに頭をよぎったりする。終了まで日がある場合は、買うまでずっとよぎるわけだ。これは、なんか面白そう、とWishリストに入れたわけだから、(セールだし)ケチケチせずにすぐ買うことにした。

 

 本書には、集中力をアップ、持続、回復するための方法が最近の研究成果を引用しつつ紹介されている。マインドワンダリング自体がメインのテーマではないが、集中力に関して面白く読めた。

図で考えるとは、つまり手を動かして描くということだ『図で考えるとすべてまとまる』

図で考えるとすべてまとまる
クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2016-03-02)
売り上げランキング: 7,396
 この本を読む目的は、図を描いて考えをまとめる、図でわかりやすく説明するための技術を身につけることだ。ちょうど読書はアウトプット、ということを強化していこうと思っていた。前書きに、本を読んでも身につかないのはアウトプットが足りないからだ、それはアウトプットの技術が不足しているからだ、と述べられおり、まさに今の状況に合致した。アウトプットにはそのための技術もあるといいですよ、というわけだ。
 本書では図を書く技術はもとより、図を書くメリット、どんな時に使うべきか、が学べる。