シンギュラリティは来るの来ないの？『そろそろ、人工知能の真実を話そう』

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早川書房 (2017-05-31)
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　この本を読んだのは、人工知能熱に浮かされないために、シンギュラリティなんて来ない派の主張、意見も取り入れてみようと思ったからだ。

　読んでみて、シンギュラリティは来ない、という根拠がイマイチ納得いかなかった。確かに、経験則だけから計算機、AIが今後も指数関数的に性能向上するというシンギュラリティ（不可避）派の主張も十分とはいえない。シンギュラリティ論者の立脚点がおかしいというのは最もだが、シンギュラリティが来ない根拠が、シンギュラリティ来る派の前提がおかしい、というのだけのように受け取れ、否定するには弱いと感じてしまった。

　シンギュラリティの話を抜きにしても、現状を見渡してみると、どうやら予想より早く人工知能の性能が上がっているのは間違いなさそうではある。