成長を阻む免疫機能!『なぜ人と組織は変われないのか』

なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践
ロバート・キーガン リサ・ラスコウ・レイヒー
英治出版
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 この本を読んだキッカケは、以下の2点:『成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法 』の中で紹介されていたこと。『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術 』の中のビジネス書マンダラの中の一冊であったこと。それまでに読んだ2冊で紹介されていたことに加え、既に購入済みであったのである。今となっては購入したときの経緯、動機は思い出せない。
 個人の成長・発達とともに、グループ、組織、つまり他者をも巻き込んで、他者の成長をも促せるような人物になりたいと思い始めたことが実際に読んでみようという動機になった。

 読んでみて、成長できないのは、『成長を阻む免疫機能』(本書中でキーワードとして何度も登場)が働くことであることがわかった。この成長を阻む免疫機能が働く要因となる強烈な固定観念などの存在をも明るみに出すことが、成長するには必要とのこと。これらをあぶり出すためにグループワークなどが必要で、本書の中ではその実例がかなり(前半から後半にかけて)多く扱われていた。ただ、その免疫機能や固定観念をいかにあぶり出すか、という具体的な手法はあまり説明されていなかったように思う。これらが抽出できたり、これかな?と思ったときにテストする手法などは紹介されていた。取りも直さず、この免疫機能と固定観念の認識が最重要であるからこそ、そこの説明がもう少し欲しかった。自分の免疫機能、固定観念として意識に上るものも幾つかは浮かぶので、それを乗り越えていきたいとは思った。
 例えば、間違った発言をしちゃいけない。馬鹿げた仮説を立ててはいけない。という固定観念。それに対して、なんだこいつの言ったことは間違ってるじゃないか、馬鹿なこと、下らないことを言うんじゃない、と言われないだろうか。言われる、思われるくらいなら発言しないでおこう、という自己保身?ともいうような成長を阻む免疫機能がそれだ。そんなわけはない、とは頭では思っていても、免疫というほど染み付いて、自動的に守っているのだから(この場合の免疫機能は)困りものだ。