2017年、変化のキッカケとなった『神・時間術』

神・時間術
神・時間術
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大和書房 (2017-06-16)
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  2017年、自分の時間の使い方を変えた本。この本がキッカケとなり、読書時間、読書量が増え、読書ジャンルが広がったと言える。自分にとって2017年で最も影響力の高かった本。人によって、影響を受ける本はそれぞれで、ある人にとっては価値がなくても、別の人にはとっては年に1冊、それ以上の出会いとなることもあるだろう。また、同じ人でもタイミングによっても違う。

  知るキッカケとなったのは、書店で見かけたそのカバーデザインと『神・時間術』という書名。日々の時間の使い方がどうにかならないか、もっと有意義に使いたい、時間を浪費している気がする、という思いが高まっていた時期だけに目についたのだろう。 

 気になる書籍を見つけた場合、真っ先にするのはKindle版などの電子書籍版があるかどうかをチョックすること。まだ電子化されていないようで、その時はWishlistに追加して電子化されるのを待つ。定期的にKindle化されていないかチェックすることにした。その間に、評価の高いレビューがどんどん増えていき、これは、Kindle化されるの待っているのは、それこそ時間の損失ではないかと思った。今となっては滅多にないことだが紙の書籍として購入することにした。  

 この本は単なる著者の個人的な体験、経験から導き出された時間術ではなく、脳科学、心理学研究の知見を取り入れた科学的な根拠に基づいて著者が体系化したもので、それを「神・時間術」と名付けたということだ。(こういった~術、~法という本には2種類あって、一つは本書のように科学的、学術的な研究結果に基づくタイプで、もう一つは著者の体験、経験から導き出された自論タイプ。後者のタイプは、自分にもハマるタイプであれば抜群の効果をもたらすだろうが、大抵はそれはあなただけでしょ、とか、そんなんあなたしかできないんじゃ?少なくとも自分はやりたくない、という率が多いというのが実感。)  

 

時間のジグソーパズル理論 

“「集中仕事」と「非集中仕事」をジグソーパズルのように、それぞれ適切な時間帯に「当てはめる」だけで、仕事が圧倒的に効率化して、時間が創り出される”(序章:時間のジグソーパズル理論、より)

 自分にとっての集中仕事と非集中仕事を仕分け、それぞれを適切な時間帯にこなす、これが神・時間術の肝で、こうすることで仕事の効率を2倍以上に高めることが可能であるという。すると、今までかかっていた時間の半分以下でこなせるということで、時間圧縮できたことになる。確かに124時間は変わらないけれど、他の人より、また、それまでの自分より倍以上のスピードでこなせれば、それだけ浮いた時間が創出されるわけだ。

 

脳のゴールデンタイム 

 起きてから2,3時間の「脳のゴールデンタイム」と呼ばれる時間帯は、脳が疲れておらず、かつ脳内が非常に整理された状態であるため、脳のパフォーマンスが1日で最も高いという。自分はこの本を読む前まで、脳のゴールデンタイムを以下のような考えのもとに過ごしていた:朝は寝起きでぼーっとしてるし、頭が冴えていないだろうから、通勤中はマンガを読んだり、ゲームをしたりして頭を起こそう。仕事はまずメールのチェックから。次に前日までに仕込んでおいた計算のチェックと再投入、打ち合わせやミーティングをこなして午前中が終わる。なんという脳のゴールデンタイムの浪費! 

 そこで、まず通勤中はマンガ以外の読書に充てることにした。朝一の仕事は、PC起動後すぐにメーラーを起動していたのをやめ、研究結果の考察、研究や業務、仕事に関わる学び、プレゼン作成などに充てることにした。会議やミーティングはできるだけゴールデンタイムに入れないように調整するようにもした。 午後からをメール対応、会議やミーティング、業務進捗確認などの単純作業、非集中作業をする時間にしたのだ。  

 

疲れる前の一息 

 本書では、疲労による集中力の低下を回復させることにも触れられている。それが、疲れる前に休むということ。100の集中力を120に高めることよりも、疲労して70に低下した集中力を90に回復させることの方が簡単だという。なるほど。ただ、これについては集中できる時間が増えた弊害?か、なかなか実践できていない。きりが良いところまで、集中しているうちにあっという間に、という感じで本書で推奨されている40~50分に1回の休憩というのができていない。座り過ぎは万病の元という研究もあるように、なるべく座りっぱなしをやめて定期的に席を離れて身体を動かしたいのだが。。。  

 

本書で推奨されていながら、できていないその他のこと 

 脳のゴールデンタイムには余計な情報は入れず、あえて「情報遮断」することが良いそうで、朝、テレビを見ながらの朝食というのはゴールデンタイムをより長く活かすためには良くない行為らしい。朝の時計代わりに、天気予報や列車運行情報などのためにテレビつけっぱなしの朝食。休日の朝はバラエティ番組の録画を見ながらゆっくりとした朝食。これらは1人の時はなるべくやめるようにしているが、毎日となるとまだできていない。 本書では、寝る前の2時間前にやってはいけないこととして以下を挙げている:「食事」「飲酒」「激しい運動」「熱い風呂」「視覚系娯楽(ゲーム、映画)」「光るものを見る(スマホ、パソコン、テレビ)」「明るい場所で過ごす」。この中のスマホを見る、が曲者。というのも、電子書籍派の自分は読書もスマホなので、寝る前の読書となるとどうしてもスマホを見ることになってしまう。一応21時~7時まではブルーライトカットモードにはしているけれども。  

 

 ということで、本書は2017年、自分にとって変化のキッカケとなった書となり、時間の使い方を激変させることができた。ちなみに、紙で本書を買ってすぐくらいに電子化(Kindle)され、Kindle版も購入した。自分にとって、紙版と電子版を購入した初めての本でもある。