7つの説明の型、IKPOLETを極めよ『頭のいい説明は型で決まる』

東大院生が開発! 頭のいい説明は型で決まる
PHP研究所 (2018-07-13)
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 同じ内容のはずなのに、説明する人によってこうもわかりやすさに違いがあるのか!説明のプロという人たちは確かに存在する。自分もそうなりたい!
 本書を読む動機は説明上手になりたいからで、説明上手になるのが目的だ。
 
 自分は浪人時代の予備校で、数々の名講師の方に巡り合うことができた。浪人してよかった、と思えるほどに。学校でいくら授業を聞いていてもわからなかったことがスラスラと頭に入ってくる。こういう経験をして大学に入り、大学教授の講義は大変退屈で、わかりにくかった。。。大学の先生というのは教えることのプロではないのだ。
 
 本書の著者も、元予備校講師であり、講師引退後は大学院で学習環境をテーマとした研究を行っているということで、教え方の”プロ”だ。
 
 本書の内容を自分なりに要約してみると、
相手に伝わる説明には7つの型がある。相手の興味引き(Interest)、相手の知識レベル(Knowledge)を把握する。説明の羅針盤(Purpose)と俯瞰図(Outline)を早い段階で与え、相手の知識と与える知識とを繋げ(Link)、具体的なイメージ(Embodiment、Example、Evidence)を与える説明をする。知識や考え方を他のシチュエーションで使えるように導く説明(Transfer)の7つだ。この7つの型の頭文字をとってIKPOLET法という。
 
 本書自体がIKPOLET法を体現した書き方がされており、分かりやすい。章ごとには以下のような内容になっている。
1.聞く側の態度、自分の理解不足、相手の知識把握不足が原因だ。
(説明が伝わらないのは、理解の階段が作れていないからだ。)
2.(I)人の欲と恐怖を刺激し、メリット・デメリットで興味を引く。
3.(K)相手の知識、考え方、マインドまで把握することが大切である。
4.(P)説明の目的や意義を早い段階で伝え、理解の羅針盤とする。
5.(O)アウトラインを集合や時系列として説明に盛り込み、俯瞰させる。
6.(L)相手の知識と説明する内容をあるルールや法則で一括りにする。
7.(E)抽象的な内容は具体的なイメージを相手の頭の中に描く。
8.(T)知識や考え方を、他のシチュエーションで使えるようにする。
9.説明をゴールから逆算して設計し、相手の自己肯定感を守る。
 
 意外と盲点になる、相手に分かってもらえない原因を知ることから始まっている。相手が聴く態勢をとれていない・・・これは端からあきらめてしまいそうだが、ここをひとつめのInterestで解消するのだな?、というわけだ。
 相手に分かってもらえない原因を知り、その逆をすれば分かってもらえる。
 
 早速これらの型を意識して実践、訓練していこうと思う。