ハッと気付かされた『人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。』
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“「恐らく経験上こうなのではないかな」「私はこれでうまくいきましたよ」といった自己啓発書で先取り学習していくのが利口です。根拠を100%待つのではなく、30%の仮説思考で生きていく姿勢が大切です。ひょっとしたら100のうち自分に当てはまるのは2つか3つかもしれません。否、1000のうち1つもないかもしれません。それでも数年後や数十年後を期待して学問的根拠を待つよりは圧倒的に成功に近づけます。じっと待っているのと、試行錯誤を繰り返しながら前進するのとでは、雲泥の差です。”
つまり、こういった本はまずは著者1人が被験者で、上手くいったことをエッセンスにしているのだ。科学的な研究に基づいたものとの違いは、その被験者数にすぎないのだ。数百、数千、数万…人規模で効果アリと実証されたものとて、それはその規模の人すべてに効果があったものではなく、統計的に優位な差が認められましたよ、ということ。これが自分に当てはまる保証はどこにもない。そういった意味で、著者1人を被験者にしたものだって、自分にも当てはまるかもしれないし、当てはまらないかもしれない。自分に当てはまるかどうかという意味では、どこそこの有名な大学、研究機関、研究者が携わった大規模な研究結果であろうとなかろうと関係ないのだ。
著者が言うように、100のうち2つか3つかもしれないし、1000い1つかもしれないけど、それを学問的に根拠が見いだされるまで自分に試さないのはもったいない、ということなのだ。それに、ベストセラーとまでいかないまでも、ある程度売れているということは、効果があった人も中にはいるのだろうし、それが更に売上を押し上げていくのだろう。いわば、読者がみんなで検証実験に参加しているようなものだ。
読むべき本と読むべきタイミング
“好きな本を読み続けていると、勝手にあなたの運命の本に接近していきます。あなたと本との出逢いは、どんなに遠回りしたとしても、すべてベストタイミングです。成長して受け入れ態勢が整ってからでなければ、巡り逢えないようになっています。自分の運命の本は、自分とまったく同じ人生を歩んできた人にしかわかりません。つまり、自分以外には見つけることができないということです。”
これについても、読む本の量が増えてきた中で最近実体験している。例えば、以前読んだ本でも、読み返してみるとまったく違った受け取り方ができる。以前は別になんとも思わなかった本が、今読んでみると、これはいい本だ。なぜあの時そう思えなかったのか。あの時、この本のことを取り入れていられたら、と悔やむわけだが、それはその時は自分に受け入れ体制が整っていなかったのだと思うと納得できる。これだけ読んでみて、やっと受け入れ体制が整ったということなのだ。
本書に述べられているとおり、
“まずは圧倒的な量をこなしてから質に辿り着ける。質に辿り着いたら更に量をこなしたくなる。”
なのだ。今の自分は、まずこの圧倒的な量をこなしている段階なのだと思う。