知性、教養ある振る舞い≠単なる独りよがり『教養バカ』

教養バカ わかりやすく説明できる人だけが生き残る (SB新書)
 久々に読んだ竹内薫氏の本となった。わかりやすい文章を書き、説明ができる教養人でありたい。知性ある人と思われたい、教養ある人と思われたい、などの承認欲求は少なからずあるとは思う。ただ、単なる教養バカにならないためにも氏のこの本を読んでみようと思った。
 難しいことを難しく説明することほど簡単なことはないと常々痛感している。なにせ、そのまま説明するだけでいいのだから。言い換えただけとか、専門用語を使って返すだけ、とか。自分が理解していようと、していまいとこういった説明は可能なわけだ。やはり、自分の中で咀嚼して、相手に伝わるように表現しなおせるような人物でありたい。
 まずは、自分自身がその本質的な理解ができ、自分のものにできることが第一で、それをどう伝えるか、ということがわかりやすく説明すること。それが分かりやすく説明する技術であろう。自分がわかっていないことはいくらなんでもわかりやすく説明なんかできないから。そういう意味では、簡単なことでも、それを知らない人にわかりやすく説明することのいかに難しいことか。例として本書内で触れられている、円の面積の説明などは、どこまでを共有知識として良いのか?平行四辺形の面積導出法は既知として良いのか?円の面積を説明するために、より高級?な積分、無限小の概念を使ってよいものか?そもそも円周率って?と、芋づる式に他にも難しいことが出てくる出てくる…ある意味で、どこかの時点(小中学校)でこういうものだと納得できたから良かったようなものだ、という気さえしてくる。